2017年2月25日土曜日

試験監督のきもち ~知っておけば怖くない?~

 受験生のみなさん、センター試験の山を無事乗り越え、いよいよ二次試験という難関に挑んでいることだろう。数々の問題集で得た知識を携え、赤本で攻略の糸口を探したはず。しかし、ムムム……。二次試験という山はけもの道、いばら道の連続だ。




 しかも、お気づきだろうか。二次試験の会場には、さらに別の強敵が待っていることを―― 。そう、試験監督である。問題を配りいたずらに緊張させ、ときに巡回し厳しい目を光らせる。時間が来ると冷酷に「やめ」と言い放ち、情け容赦なく答案を回収していく。

 そこで筆者は、試験監督の時間ごとの心理状況を分析し、その時々の対処法を伝授しようと考えた。もし試験中、「試験監督が怖い!」と思ったならば、これから書くことを思い出してほしい。きっと心を落ち着け、目の前の問題に集中できるはずだから。

 会場で試験開始を待っていると、おもむろに問題を抱えた試験監督たちがやってくる。一様に「カンニング行為と知恵袋はダメ、ゼッタイ」オーラを出しているだろう。しかも、一様に無表情で顔が怖い。

 そう思ったならば、第一の対処法はテキトーなあだ名をつけてみることだ。2年前、筆者は担当した試験監督に「おじいちゃん」、「中国の古参俳優」、「童顔」と悪g…、あだ名をつけて緊張をほぐした。後々になって、彼らが研究の第一人者だと知ったとき、猛烈に反省したが。

 いよいよ試験開始。諸君は目の前の問題に集中し、もはや試験監督の存在を忘れてしまうだろう。実は、彼らも秘技「息をひそめて見守る」を発動し、自ら存在を消すことに努める。試験監督の仕事は、受験生の集中をそがないベストな環境を作ること。厳しい顔つきだが、内心は「何かあったら言うんだよ」とやさしさに溢れている。

 試験中は「困ったら頼る」のが最善の対処法だ。筆記用具が落ちたり、気分がすぐれなくなったりしたら、迷わず手を挙げよう。すぐに駆けつけ、笑顔で対応してくれる。しかし、怪しい素振りを見せたら、鬼の形相。その後どうなるかは言わずもがな、想像に難くない。

 試験監督が「やめ」というと、悲喜こもごもあろうが、ひとまずはホッと安堵の一息。心の内で、試験監督も「無事、終わったな」と安心している。しかしそれも束の間、答案をいそいそと回収し、慎重に枚数を数え……と仕事はたくさん。しかも、怒涛の採点が待っているとなれば、厳しい顔もくもり出す。

 試験終了後は、感謝と同情のまなざしを向けて会場を後にしよう。「今日はありがとうございました」と「辛いでしょうが、血のにじむ答案をよろしくお願いします」という顔つきで、試験監督としばしの別れ。来る春、キャンパスで「あ、あの時の!」と再会できることを期待して―― 。

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